先月、株式会社LIXILと近畿大学の共同研究で、窓の断熱改修による、医療費や暖冷房費の削減効果の調査を目的とした、「住宅内温熱環境と居住者の健康に関する研究」という論文が発表されました。
この論文では、断熱性能を高め、住宅の高性能化を推進していくことは、CO2排出量や光熱費の削減につながるだけでなく、ヒートショックなどの循環器疾患の発症リスクの低減、アレルギー症状の緩和にも影響を及ぼすことが、具体的な数字で示されています。
今回の検証により、昭和55年基準住宅における内窓改修での医療費期待値と暖冷房費の削減額は、50歳夫婦と子ども2人の4人家族で想定した場合、30年で98万円になることが算出されました。
内窓改修を行うことで、医療費25万円、暖冷房費73万円の削減が期待され、その差は30年間でなんと約100万円!年間3万円ほどの削減が期待されます。
「断熱性能は高めたいけど、大規模なリフォームを行えるほどの費用はなくて…」という方も、開口部のみ高性能化するだけで、暖房時の熱の流出が大きく違ってきます。
冬場に暖房を入れた場合の熱の流出は、窓や玄関などの開口部からの流出が58%と、大半を占めています。
よって住宅の開口部を高性能化することで、住宅の断熱性が高まり、省エネやヒートショックのリスク低減につながるのです。
また、断熱性能が高まることで窓の結露も抑制され、カビやダニの発生も減るため、気管支喘息やアレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎といったアレルギー症状の軽減も期待されます。
住宅内温度と心疾患やアレルギー性鼻炎の推定医療費の関係を出したグラフでも、室内温度が低いと心疾患やアレルギー症状のリスクが高まることが推定される結果となりました。
ヒートショックが一要因となり、入浴中に亡くなられる方は、交通事故死亡者数の約4倍にものぼる年間19,000人ほどと推計されており、他人事では済まされない話になってきています。身近な方の健康や安全を守るため、そして地球環境を守るためにも、住宅の高性能化は今後ますます求められてくるものと思われます。
今回の研究で、断熱性能を高めることが、暖冷房費の削減や医療費の削減に効果的であることが具体的な値で示されました。
窓断熱改修は光熱費の削減につながるだけでなく、ご家族の健康を守ることにもつながるのです。
窓の交換や内窓の設置など、わずか数時間~数日のリフォームで、今後の暮らしが大きく変わってきます。
今のお住まいにご不満がある方、より快適に安心して暮らしたいという方は、いつでもお気軽にご相談ください。お客様の、より豊かで健康的な暮らしに寄り添えるよう、誠心誠意、対応させていただきます。
※画像はすべて、株式会社LIXILと近畿大学のPRESS RELEACEより引用しています。